創業融資を申し込むとき、資金は「運転資金」と「設備資金」に分けて考えます。この区分は、金融機関に資金使途を説明するうえでも、借りる金額を決めるうえでも重要です。この記事では、運転資金と設備資金の違い、分けて考える理由、そして創業時にいくら借りるべきかの考え方を整理します。

運転資金とは

運転資金は、事業を日々まわしていくために必要なお金です。仕入れ代金、人件費、家賃、水道光熱費、広告費など、売上が入ってくるまでの間に出ていく費用をまかなうための資金を指します。とくに創業期は、売上が安定するまで時間がかかることが多く、その間の運転資金を確保できているかが、事業の継続を左右します。

設備資金とは

設備資金は、事業に必要なモノを買うためのお金です。店舗の内装・改装、機械や車両、厨房設備、パソコンやソフトウェアなど、比較的大きな金額を一度に支出し、長く使う投資が該当します。設備資金は「何を・いくらで買うか」が見積書などで具体的に示しやすいため、資金使途を説明しやすいのが特徴です。

なぜ資金使途を分けるのか

金融機関は、融資したお金が「何に使われるのか」を重視します。運転資金と設備資金を分けておくと、資金使途が明確になり、説明がしやすくなります。設備資金は見積書で裏づけやすく、運転資金は売上が立つまでの必要月数から根拠を示せます。使途が曖昧なまま「とりあえず◯◯万円」と申し込むより、内訳を分けて示すほうが、計画の説得力が高まります。

創業時にいくら借りる?必要資金の積み上げ方

必要額は、設備資金と運転資金を一つずつ積み上げて計算します。設備資金は見積りをもとに、運転資金は「毎月出ていく固定費・変動費 × 売上が安定するまでの月数」で見積もるのが基本です。そのうえで、自己資金でまかなう分と、借入で調達する分に分けて考えます。自己資金はいくら必要かもあわせてご覧ください。

どこから借りるかによっても考え方が変わります。借入先の選び方は創業融資はどこで借りる?で整理しています。

借りすぎ・不足を避ける

資金は、多すぎても少なすぎても問題が生じます。借りすぎれば返済の負担が重くなり、少なすぎれば途中で資金が尽きてしまいます。とくに創業期は、売上の立ち上がりが計画より遅れることも珍しくありません。運転資金には一定の余裕をもたせつつ、返済に無理のない範囲で必要額を見積もることが大切です。資金繰り表で先々の現金の動きを見通しておくと、過不足の判断がしやすくなります。

ChronoArtでは、設備・運転の必要資金の積み上げから、自己資金と借入のバランス、返済計画までを、創業融資の無料相談でご一緒します。いくら借りるべきか迷う段階から、ご相談いただけます。

「いくら借りるか」は、感覚で決めるものではありません。設備資金は見積りで、運転資金は固定費×必要月数で積み上げ、返済計画とあわせて考える。この順序を踏むと、金融機関への説明も、借りたあとの経営も、ぐっと安定します。

よくある質問

運転資金と設備資金は分けて申し込む必要がありますか?

資金使途を明確にするため、内訳を分けて示すのが一般的です。設備資金は見積書などで、運転資金は必要月数から根拠を示すと、説明がしやすくなります。

創業時はいくら借りればよいですか?

一律の正解はありません。設備資金と運転資金を積み上げて必要総額を把握し、自己資金と借入のバランス、返済計画とあわせて決めるのが基本です。

運転資金は何か月分みておくべきですか?

業種や売上の立ち上がりによって異なります。創業期は売上が安定するまで時間がかかることを前提に、一定の余裕をもたせて見積もることが大切です。

借りすぎるとどうなりますか?

返済の負担が重くなり、資金繰りを圧迫する可能性があります。一方で少なすぎると途中で資金が尽きるリスクがあります。必要額を根拠をもって見積もることが重要です。

鵜飼颯大

この記事を書いた人

鵜飼 颯大株式会社ChronoArt 代表取締役 / 公認会計士

監査法人を経て独立。中小企業の財務・経営管理を支援する公認会計士。プロフィール →

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